●「かかりつけ医機能」をテーマに議論
中医協総会は2月22日、次期改定に向けて横断的事項として「かかりつけ医機能」に ついて議論しました。
中川俊男委員(日本医師会副会長)は、厚労省が示した、イギリス・ドイツ・フランスの実践例に対して 「10人以上の医師による診療所が中心のイギリスと1人の医師による診療所が8割を占める日本では全く参考に ならない」と発言。その上で、「ゲートキーパーとしてフリーアクセスを制限する方向性を厚労省は支持するのか」と 不信感を示しました。
これに対し、厚労省は、「日常的に利用する身近な医療機関で受診の上、必要に応じて適切な専門医療機関等への 紹介等を行う等の対応が求められるとの趣旨であり、そのためゲートキーパーとの言葉の前に「緩やかな」との表現が ある」と回答。患者を特定の医療機関、医師に縛る形のフリーアクセス制限を推進する意思はないと反論しました。
診療側の松原謙二委員は日本医師会の報告書より、かかりつけ医の業務において「在宅患者に対する24時間対応」が 最も負担であり、訪問診療料を複数医療機関が算定し、連携して対応することが可能となるよう通知等の発出による 早急な対応を求めました。
●処方せん様式変更にも言及
支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、後発医薬品の処方推進が求められる中、処方せんに 「変更不可」の欄があることはいかがなものか」と発言。次回改定に向けて、処方せん様式の後発医薬品への 「変更不可欄」削除の検討も求めました。
松原謙二委員(日本医師会副会長)は、「患者調査結果から、後発医薬品への変更により「効き目が悪くなった」 「副作用」といった実態が一定ある」と指摘。その上で、「患者の容態に関する最終的な責任を持つ医師としては、 こうした実態も踏まえて慎重に議論すべき」と支払側の論調を牽制しました。