医療と介護との間で切れ目のない継続的なリハビリテーションを!
中医協等ピックアップ
<4/19医療と介護の連携に関する意見交換より>
中医協と介護給付費分科会が意見交換(2回目)
・急性期や回復期のリハビリテーションにおいて、目標設定支援の視点に基づくリハビリテーションをより一層推進すること
・疾患別リハビリテーションの維持期における介護保険への円滑な移行を含め、医療と介護との間で切れ目のない継続的なリハビリテーションを効果的に提供すること
・医療と介護の連携・移行をより効率的に推進する観点から、リハビリテーションにおける実施計画書等の在り方が論点として提示されました。
懸案の要介護者の維持期リハビリの取り扱いについて、中医協支払い側は「平成29年度末には円滑に介護保険に移行できるように、早目に準備を進めていく必要がある」と予定通りの移行を主張したが、分科会委員からは「介護保険でのリハビリに対して、国民が医療保険のリハビリよりも信頼性を置いているものが少ないのが問題」、中医協診療側からは「介護保険に移行できる方はできるだけ移行していただく」としたうえで「医療保険でのリハビリテーションが必要な人は引き続き残れるようにする必要がある。日数上限を超過して疾患別リハビリテーションを受けている要介護被保険者などは約3%の3.8万人とのことだが、まずそれらの方がどのような人なのかを明らかにした上で、対応を考えるべきである」と慎重な意見を述べました。
今後は、中医協及び介護給付費分科会に持ち帰り、それぞれの審議会における今後の審議に反映するとしました。
<5/17中医協総会より>
入院医療(その4)
回復期リハビリテーション病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料が議論されました。論点は次の通り。
・地域包括ケア病棟については、急性期治療を経過した患者や在宅において療養を行っている患者等を受け入れ、その在宅復帰支援等を行う機能が想定されている。このような機能に応じた評価の適切なあり方について
・地域包括ケア病棟を届け出る医療機関が持っている別の病棟との組み合わせや、地域によって一般病棟や在宅医療などの医療資源が異なるといった視点での分析について
・回復期リハビリテーション病棟で効果的なリハビリテーションが提供できるよう、できるだけ早期から集中的なリハビリテーションの実施を推進するような評価のあり方、リハビリテーションの提供量だけでなく、アウトカムにも着目した評価のあり方等について
地域包括ケア病棟については、【7対1病棟のある病院】と【7対1病棟のない病院】とで比較すると、「自院の転棟患者が1割以下(他病院からの転院が9割以上)の病院は、ほぼ【7対1病棟のない病院】である」ことが明確となりました。それを受けて診療側から、機能による報酬の差別化が提案されたが、実際の医療提供内容の差など今後詳細に分析を進めることとしました。
回復期リハビリテーション病棟入院料については、支払い側よりアウトカム評価について、評価視点を拡大する提案があったが、診療側は16年改定の検証も済んでいないのに踏み込み過ぎだと牽制しました。
<5/17社会保障審議会・医療保険部会より>
参照価格制度の議論再燃
骨太方針の「先発品と後発品の価格差についての負担」を検討するようとの指示を受けて、参照価格制度(先発医薬品と後発品との価格差を患者負担とする)、あるいは、先発品の価格を後発品と同額にまで引き下げるべきかについて議論されました。
厚労省からは、
(1)先発品と後発品の差額を「選定療養」とする
(2)先発品と後発品の差額を「新たな患者負担」とする
(3)先発品の価格(薬価)を後発品と同額まで引き下げる
の3案が提案されました。
しかし、いずれの案にも反対意見が多く、今後厚労省がどのような方向性を提案するか注目です。
<5/31中医協総会より>
紹介状なしの外来受診患者に定額負担の拡大を議論
紹介状なし外来患者の5,000円以上定額負担が、特定機能病院・500床以上の地域医療支援病院に導入されたが、「初診に占める紹介状なし患者の割合」はわずか2.9%しか減少しなかったことが報告された。それを受けて支払い側からは「紹介状なし患者のうち、定額負担の対象になる患者は34.1%に過ぎない。除外項目を見直す必要があるのではないか」と提案がありました。
一方で、紹介状なしの初診患者への別途負担を、改定の前後で5,000円未満から5,000円以上に引き上げた病院では、「初診に占める紹介状なし患者の割合」が32.0%も減少したことが明らかとなりました。これを受けて「対象となる病床下限を下げることで効果が出てくると予想される」と支払い側は提案しました。
しかし、14.1%の病院では「患者に説明したが、同意が得られず定額負担を徴収できない患者がいる」と回答があり、さらに、患者から「金額が高い」「納得がいかない」といったクレームがつくケースもあることも病院から報告されています。
<6/7入院医療等の調査・評価分科会より>
改定影響調査結果(2016年度調査)速報が報告される
1 病棟群単位の入院基本料届け出はわずか1.2%にとどまり、届け出予定もなかった
2 看護必要度25-30%が7割、30%以上が3割、全体では28.8%
3 7対1の病床利用率は、2016年度改定後に0.8ポイント低下
4 7対1の在宅復帰率要件に批判、「急性期機能の発揮」を評価できる指標の要望
5 地域包括ケア病棟「自院の急性期病棟からの受け皿」と答えた病院が全体の55.4%、「他院の急性期病棟からの受け皿」が15.8%となっておりpost acute機能が多い。「在宅医療の後方支援として、急変時などの受け皿」と答えた病院も5.4%とわずかながらあり、一部ではsub acute機能を果たしている