京都市3施設合築方針に動きあり!

京都市が進める、京都市身体障害者リハビリテーションセンター、京都市こころの健康増進センター、京都市児童福祉センターを1つの建物にまとめる「3施設合築計画」。ここしばらく、京都市といえば、「子ども若者はぐくみ局」とそれに伴い、行政区の保健センターを福祉事務所とまとめて「保健福祉センター」にする話で持ち切り。合築の話はあまり浮上してきませんでした。

〈京都市衛生環境研究所と京都府保健環境研究所の移転〉
しかし、今年1月に入って動きがありました。先日、京都市保健福祉局が、京都市会の教育福祉委員会に提供した資料によると、京都市衛生環境研究所と京都府保健環境研究所の共同化整備の取組が本格化するのです。

これは、「府市協調」で進められており、府市それぞれの衛生に関する公的研究機関を1つの場所に移転し、施設規模を削減することで、いわゆる二重行政の解消に役立てようというもののようです。

なぜ、この話が3施設合築と関係するのか? とお思いでしょうか。

実は、市の衛生環境研究所の現在地は御前松原、すなわち旧京都府医師会館のお隣であり、旧こころの健康増進センター(今は四条御前で市リハセンと同一建物)に隣接しています。そしてこの土地こそ、合築化した3施設が建設される予定の場所なのです。

つまり、いよいよ合築予定地が空き地になる日が具体的に示されたということなのです。

市の資料によると、府市協調の研究所は伏見区村上町に建設予定であり、今年度に着工し、2019年に竣工予定とのこと。ということは、合築に向けた京都市の取組も、その時を意識して進められることになるでしょう。

やはり、合築問題は動いているのです。

〈合築方針の背景には「資産有効活用方針」があるのか?〉
京都市は、協会も参加する「京都市3施設の合築方針を考える実行委員会」の要請に対し、合築後の具体的な構想はまだ固まっていないが、合築そのものは撤回しない、という筋の通らない回答を繰り返してきました。いろいろ調べてみると、どうも京都市が合築方針に固執する背景には、京都市が財政難を理由に進める「京都市資産有効活用基本方針」(2012年)があるのではと推察されます。

同方針は、京都市の資産(不動産)を「経営資源」であると定義し、貸付・売却も含めた活用を打ち出しています。同方針には「財政的な要請」として、2016年度まで「資産の有効活用等により、年間50億円の財源を確保」するという「京プラン(京都市基本計画)」の実施計画の目標も紹介されているのです。

市有地を売却して、財源にする。

これで市の財政が助かるし、結果的に市民の税負担に頼らなくて済むから良いだろう、とのお考えなのでしょう。しかし、それだけの理由で手をつけてはいけない分野もあります。それが公衆衛生・医療・福祉の分野です。3施設をはじめとした、医療・福祉に関する京都市の公立施設には、そこに通い、あるいは入所する子どもたちも含めた市民の、生命と健康がかかっているのですから。