京都府地域包括ケア構想 オール京都体制で地域包括ケアシステムの構築を

3月16日、京都府が議会に「京都府地域包括ケア構想」を報告しました。

協会も、昨年末から今年初めにかけて募集された中間案に対するパブリックコメントを提出しました。

ホームページ上には、「府民等意見募集の結果」も掲載されています。56名(129件)の意見が寄せられたようです。結果には、協会の意見に対するコメントも掲載されていました。公表されたペーパーには、誰の意見か、ということはもちろん書いてありませんが、明らかに協会の提出した意見であると思われる意見を抜き出し、それに対する府のコメントを対比させてみましょう。

・協会の意見
京都府全体の将来の必要病床数の推計について、現在の許可病床数を上回る数値を示した点は、国の意向に 従って機械的に削減するという立場をとらなかったという意味から評価したい。また医療圏ごとの病床機能別推計値を出していない点についても、今後それぞれの地域の医療事情を勘案し地域での調整を踏まえて決定していく姿勢を示した意味で評価されるものと考える。

・京都府のコメント
在宅医療・介護連携の推進のため、市町村の取組が充実したものとなるよう、引き続き、府保健所・地域包括ケア推進ネットが支援を行うとともに、各種システムの府民への普及や、多職種協働による支援体制の構築など、オール京都体制で地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。

・協会の意見
医師・診療科の偏在や不足問題について、地域医療構想はあくまで病床の「数」に着目しているに過ぎない。今後、京都府は地域医療構想も盛り込む形で新たな保健医療計画の策定に取り組むことになる。その作業も通じ、府が必要な医療が確保されない地域実態を具体的に把握すること。市町村・医療者と連携し、その解決に向けて施策を引き続き展開することを求めたい。

・府のコメント
 医師の地域偏在や診療科偏在の改善に向けて、二次医療圏ごとの地域実情を把握することに努めながら、大学・ 関係団体や市町村等オール京都体制で必要な施策を進めてまいります。

・協会の意見
今後京都府にも策定が求められる第3期医療費適正化計画の問題について、地域医療構想は、もともと住民の医療保障をめざすものではなく、国保の都道府県化とあわせて都道府県を主体とした医療費抑制体制の構築を目指すものである。そうした中、京都府が国の医療費抑制政策から府民の医療を守る防波堤として、医療保障をめざす医療行政のスタンスに立ち続けられるのか。今、その真価が試されようとしている。

・府のコメント
市町村が実施する地域包括ケア推進のための施策が円滑に実施されるよう、引き続き、府保健所及び地域包括 ケア推進ネットにより支援を行ってまいります。

構想がつくられた後、そこからが行政にとっても、医療者にとってもスタートですね。