医療法人たなか医院 田中 慎一郎(2017年11月 開業)
開業するまでは五里霧中、資金もどれだけ借り入れを
すればよいのか、どれぐらいの規模のクリニックであれば
うまくいくのかなど、何もわからない中で準備をしていました。
開業までの流れ
開業までには決めることがたくさんあります。経営理念、
開業場所、融資を受ける銀行、スタッフなどです。
[開業2~1年前]
一番大変なのは開業を決めることです。私自身も開業を考え始めたのは、開業の5年前ぐらい
からです。実際に開業を決めたのは2年前ぐらいになります。
[開業1年~6カ月前]
次に開業場所を決めます。開業地を決めるにあたっては、実際に足を運んで、駅周辺の様子などを見て回りました。開業にあたっては、税理士事務所等に相談することが大事です。融資を受ける銀行、建設業者をどこにするのか決めていきます。 私の場合は、勤務先への影響を考慮して
開業の1年前ぐらいに勤務先に開業することを伝えました。
[開業6カ月~3カ月前]
診療方針や経営理念の作成、自分の中でどういったクリニックにしたいか練り上げていく期間です。建物の構造の決定もします。 レントゲンを入れるか入れないかで構造は大きく変わります。どういった処置をするのか、どれぐらいの広さの処置室が必要か、 診察室がいくついるのか、待合室の広さ、スタッフルームをどうするかなど決めていきます。 この時期に開業地の地区医師会に事前相談(開業する旨を伝えに)にも行きました。
[開業3カ月前~1カ月前]
医療機器等を決めていきます。電子カルテに関しては5社ぐらい同時にデモンストレーションしてもらいました。エコー、検査機器等、各メーカーに現物を見せてもらわないと決められないので、全て実際に見て決定しました。その他にも、院内のソファーやデスク等の選定、ホームページ、ロゴマーク、印刷物も決めていきます。この時期に採用したスタッフに消耗品や事務用品の購入は任せました。
[開業直前1カ月]
建物が引き渡され、院内に物を搬入していきます。電子カルテ等の機器の連携や納入に立ち会うために朝から晩まで院内で作業していました。 職員研修も実施し、院内ルール(業務フロー、身だしなみ、院長・従業員同士の呼び方等)も決めました。 模擬診療も行い、問題点の洗い出し等を行いました。
開業に向けて大事なこと
立地はもちろんですが、それ以上に「伴走者(配偶者、税理士等)」が重要です。1人では絶対に開業はできません。この伴走者を選定する上で大事にしたことは「同じ方向を向いているかどうか」です。スタッフに関しても、中心となるスタッフを早めに決めておくことも大事です。そして、心身両面の健康を保つことです。
開業してよかったこと
生活リズムが整います。そして、毎日患者さんの顔を見れるので、患者の変化に気付きます。患者さんのバックグラウンドも含めて話を聞いて、診療することができます。経営面では全て自分で決めることができます。
まとめ
・開業前に一番大事なのは「開業しよう」と決断すること。
・決断したら迷わずに進みましょう。
・必ず信頼できる「伴走者」を見つけましょう。
・信頼できるスタッフを選びましょう。
きっと大変さに見合った楽しさがあります。